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セッション1 自治体の環境行政と企業の位置づけ
◎ 「企業、市民とのパートナーシップによる環境づくりとESD」(岡山市、環境局審議監 内藤元久)

 岡山市は資源豊かで歴史的特長もあり、面積の8割で自然的土地利用が行われてきた。だが1960年代の産業発展により環境面が課題になり、世界的にも温暖化が進んだ。行政としても手詰まり感がある中、規制だけでなく経済的手法を使うほか、いろいろな手法をくみあわせ、ステークホルダーが参加することが大切になってきた。事業者や市民の方にとってもそれは同じで、法律を守るだけでは持続可能な社会は創造できない。

 それをふまえ岡山市では、ホタルの保護活動、清掃活動、市民出資による太陽光パネルなどの取り組みを続けている。企業でも希少種の保護プロジェクトなど生物多様性の取り組みが行われている。市と企業が連携して、開発をする際には希少生物をほかの地域に移す、また移した先でも保全活動を行う。それにかかる経費は開発業者が賄う。

 ただし個別の活動では手詰まり感があるため、さまざまな立場の人を「つなげる」ことで活動の範囲を広げる必要性がでてきた。そこで生まれたのが環境パートナーシップ事業。
市民と企業の活動を同じ枠組みにいれて、活動を広げ、刺激しあう。市民には経済的に、企業には優遇制度を設けて、岡山市はこれを支援した。企業は市民へのPRになるほか、異業種間での情報交換ができるようになる。

 主な成果として、100以上の組織がプロジェクトに参加、広がりが出てきたことがある。多様なプレーヤーが特色で、岡山の場合は市民中心となっている。
◎「岡山市の環境行政との関わりについて」(バイオディーゼル岡山(株)、社長 岸 政彦) 
 DOWAグループの発祥は、秋田県の小坂製錬所。1884年9月に明治政府からここを払いうけて128年になる企業グループ。国内に52社、アジア・欧米に関係会社11。岡山事業所での展開として、貴金属リサイクル事業、自動車シュレッダーダスト事業、バイオディーゼル燃料製造事業がある。

 地域貢献活動としては、まず秋田県での植林活動。製錬所の周りに樹木が少なかったため、300万ほどの植樹を小学生と行い、緑豊かになった。また、十和田湖畔で子どもたちのノルディックスキーの大会を1991年から23回開催しており、毎回500-800名の参加がある。オリンピック選手・国体優勝選手も輩出するなど、レベルも高い。岡山県内では、湖を淡水化し、湖の周辺を桜の回廊にする「児島湖花回廊プロジェクト」がある。当初3000本を目差したがすぐに達成したため、現在の目標は5000本。2009年からは桜祭りを開催し、毎回約1万人が参加、今年は2万人を目指す。昨年からは健康マラソンも開催し、1500人程度集まっている。昨年からは8万の曼珠沙華を上、春の桜、秋の彼岸花とうことで1年中楽しめる。

 岡山市での環境活動としては、使用済み食用油を回収してバイオディーゼル燃料を製造している。2008年に農林水産省の「バイオ燃料地域利用モデル実証事業実施地区」に採択され、翌6月には燃料製造プラントを作り、現在は年間10万リットルを取り扱う。原料である食用油は市内のごみステーション1万カ所のうち3700カ所でペットボトルで回収したものが、月に約1万リットル。その他スーパーやコンビの独自回収が約4万リットル。設備稼働率を考慮すると、この倍は製造可能。燃料の9割を市が買い取り、市のゴミ収集車やバスに使用。その他フォークリフトや路線バスでも使われている。

 また環境教育も行っており、ごみを少なくするなど、小学校で出前講座を行っている。使用済み油からディーゼル燃料を作る様子を子どもたちが見学。

 現在事業開始から3年が経ち、ようやく軌道に乗ってきた。現在製造工場の稼働率は半分なのでまだまだ増やしたいが、それには岡山市や市民の協力が必要だ。
◎「東南アジア自治体による企業との連携活動について~調査結果から~」(イクレイ東南アジア事務局、プロジェクト・オフィサー、レア・ローズ・ビクトリア)

 リオのサミットから20年たったが、東南アジアにおける自治体と企業のパートナーシップについて十分な情報がなかったため、インドネシア、タイ、フィリピンの自治体を対象に調査票を送付。回答数は56自治体。

 調査結果からわかったことは、自治体と企業のパートナーシップの枠組みはあっても、積極的な活用事例がない、ということ。理由としては、パートナーシップが築かれても、正式な覚書がかわされていないことや、それにより、自治体は自らの資金や資源、資材に頼らざるを得ないことが挙げられる。

 例えばフィリピンでは、1996年にフィリピンアジェンダ21が策定され、参加型の取り組みを促進する枠組みができ、企業にはCSRの意識もあり、持続可能型の開発が事業の柱として認識されている。ただし市の活動だけでは不十分なため、企業とのパートナーシップを積極的に行う動きはあるが、正式な覚書や契約、公式化・法制化の例は少ない。その理由としては、契約手続きに手間と時間がかかることと、企業に資金や人材が豊富にあるという認識が欠けていることがある。よってパートナーシップも公式的ではなく、散発的なものになりがちなので、一貫性と持続性を欠く。中でも優良事例として挙げられるのが、イロイロ市のマングローブ再生プロジェクト。コストの25%は企業が出資し、設計、開発でも企業のスキルを有効利用した。

 また、タイは政策や規制という観点では3カ国でもっとも不十分。国も環境の管理社会の発展に対し企業が果たす役割を認識してはいるが、CSRはまだ初期段階であり、持続可能な自治体と企業のパートナーシップ例は少なく、ほとんどの自治体では自らの資金に頼っている状況となっている。
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