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サンディエゴ湾海面上昇適応戦略を策定(2012.3.2)
Credit: ICLEI USA
 2012年2月16日に発表されたサンディエゴ湾海面上昇適応戦略は、海面上昇への適応に対する米国で初の地域的な取り組みであり、サンディエゴ湾周辺の自治体およびサンディエゴ港当局、サンディエゴ空港当局などを含めた多くのステークホルダーとの広範囲にわたる協力によるものである。そして、サンディエゴ財団の気候イニシアティブの資金によって支援され、サンディエゴ湾の将来に強い関心を持つほとんどの行政機関と民間セクターの代表を含めた地域のステークホルダーと共にイクレイアメリカが作成した。

 この戦略文書は、2つの要素で構成されている:①海面上昇によって地域の財産がどのように影響を受けるのかを判断する総合的脆弱性評価、②どのように回復力のある地域財産を構築するかという広範囲にわたる提言。巻末には付属文書として管理実践ツールボックスや、脆弱性評価質問票見本、戦略評価マトリックスなどが収められており、他の地域で計画を考える人にも役立つであろう。

 このプロジェクトは、サンディエゴ財団およびサンディエゴ地域のすべての自治体とのパートナシップによって、サンディエゴ地域気候保全イニシアティブの一部として行われた。このイニシアティブには、18の温室効果ガスインベントリーおよび自治体職員のための地域気候ネットワークも含まれている。

多くの適応に向けた取り組みが各自治体や機関で各自実施される中で、地域での連携は、相互に作用している湾のシステムや変化に対応する、統合的で費用対効果のある解決策を構築するために非常に重要である。サンディエゴ財団からの新たな支援によって、イクレイアメリカは、地域全体での導入に向けた総合的戦略をさらに前に進めるために、2012年においても、公的機関運営委員会、ステークホルダー・ワーキング・グループ、技術諮問委員会を開催する。

なぜサンディエゴ湾は備えるべきか
 サンディエゴ地域は、南カリフォルニアにおける経済活動や多様性、文化の中心地である。この地域は、昔からその素晴らしい景観や生物の多様性、経済的能力、一流の学術機関によって知られ、多くの人が国内で最も住みやすい地域の一つとして評価してきた。地域の成長と経済的中心地としての地位が将来にわたって続くと予想される中、気候変動の影響が現実の脅威となりつつある。他の多くの予想される気候変動の影響の中で、海面上昇以上にリスクをもたらすものはない。今世紀中にも、平均満潮位は最高で1.5メートル上昇すると予想されている。

 サンディエゴは、海岸との関係によって特徴づけられる地域であり、また海岸地域に多くの投資を行ってきた。サンディエゴ湾はその中でも特に、観光と軍による経済にとっての貴重な財産である。これらが危機に瀕するにあたって、予想されている海面上昇によってもたらされる最悪の影響が表れるよりもかなり以前に政策的な対応を考えださなくてはいけない。なぜなら、解決策を導き出しそれを実行するには、多くの時間を必要とする未経験の連携が必要であり、現在進められている建築には将来の影響に脆弱であるものも含まれるからである。

気候変動緩和策にも並行して注目
 この海面上昇戦略では、気候変動緩和策(温室効果ガスの削減)と気候変動適応策(避けられない気候変動影響に備えること)を実施することの両方の重要性を認めている。だからこそイクレイアメリカは、海面上昇戦略の構築に加えて、この地域の自治体による温室効果ガスインベントリーの準備も支援したのである。温室効果ガスのベースライン・データが手元にあることによって、各自治体は排出削減目標の設定や気候変動に適応するための計画作りを進めることができる。
Credit: ICLEI USA
分野別脆弱性評価
 サンディエゴ湾の脆弱性については、以下の分野ごとに評価が行われ、戦略が立てられた:

・  生態系と絶滅危惧種
・  汚染地区
・  雨水管理
・  下水
・  上水
・  エネルギー施設
・  地域交通施設
・  建築物
・  危機管理施設
・  公園、レクリエーション、公共アクセス
・  空港運営
・  脆弱な住民

総合的戦略
 上記の分野別の戦略とは別に、以下の10つの総合的戦略も立てたれた:

1. 適応戦略を実行するために、サンディエゴ湾に関わる公的機関のスタッフレベルでの地域海面上昇適応ワーキング・グループを構築する。
2. 適応戦略実行にステークホルダーが定期的に関われる機会を設ける。
3. 公的機関の職員や、ステークホルダー、一般住民に合わせた広報や、教育、研修、同業者交流プログラムなどを実施し、またそれを強化する。
4. サンディエゴ地域における海面上昇の影響や、脆弱性、適応反応につての理解を深めるための地域研究方針を定め促進する。
5. 開発許可制度のなかで、どのように海面上昇の影響を取り扱うべきかについて、明確で一貫した規制手引きを提唱するために、規制機関を巻き込む。
6. 公開予定の洪水保険調査(FIS)に付随する非規制地図(non-regulatory map)に将来の海面上昇リスクを盛り込むことを促進するために、アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(FEMA)を巻き込む。
7. 関連する各地域の計画やプロジェクトに海面上昇やそれによる影響を組み込むことによって、海面上昇への適応を制度化または主流化する。
8. 計画づくりのための海面上昇を想定するに当たり、カリフォルニア州気候行動チームによって提供されるガイダンスを利用する。
9. 重要な計画や投資計画に取り掛かる場合には、その対象区域におけるさらに詳細な脆弱性評価を行う。
10. 浸水や定期的な洪水に脆弱な地域において適切な管理方法を選択し実施するために、意思決定枠組みを各管轄区域において構築し、これらの枠組みをリスク管理や費用便益分析に活用する。

  • イクレイアメリカからのニュース記事全文はこちら(英語のみ)
  • サンディエゴ湾海面上昇適応戦略はこちら(英語のみ)
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