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インド・ニューデリ「都市と気候変動」国際会議開催レポート(熊本市ご寄稿)(3.23)
 2011年2月、インド・ニューデリ開催の「都市と気候変動」国際会議にご出席された熊本市水保全課 水質保全係長 永田努様より報告書をご寄稿いただきましたので、ご紹介いたします。ご協力いただきました永田様はじめ熊本市の皆様には心より御礼申し上げます。
「都市と気候変動」国際会議に出席して                  熊本市水保全課 水質保全係長 永田努
本会議場の様子
熊本市水保全課 永田氏
 
 「都市と気候変動」国際会議は、大気汚染、廃棄物処理、水の保全・管理など様々な環境問題に直面するインド政府が主催し、イクレイ(持続可能性をめざす自治体協議会)南アジア事務局、労働環境センター(COEHインドの労働環境の改善や健康管理を推進する研究機関)の共催で、2月21日、22日の両日インド・ニューデリーで行われた。

 会議には、韓国、フィリピンなどアジアの国々の他に、本市の友好都市であるドイツハイデルベルク市、アメリカ、カナダなど15カ国の行政担当者、研究者など205名が出席、日本からは熊本市とデリー州と友好提携を締結している福岡県が出席した。

 会議会場のヴィギャン・バーワン国際会議場では、入場に際し入念な手荷物X線検査、ボディーチェックが行われテロへの警戒ぶりが伺われる。また、会場内へのカメラの持込みも禁止された。

 会議ではメインテーマである・エネルギー効率と保全・都市の輸送管理システム・廃棄物処理・水の保全と管理・生物多様性と適応・再生可能エネルギーと環境配慮地域・都市の気候変動施策と都市気候レジストリに関する発表及び活発な討議が行われた。

 本市は、「水の保全と管理」の最優良事例として、昭和51年の「地下水保全都市宣言」、昭和52年の「熊本市地下水保全条例」施行、「水田を活用した地下水かん養事業」、「節水市民運動の展開」、「熊本水遺産登録制度」及び「くまもと「水」検定制度」、「日本水大賞グランプリ」の受賞などこれまで30年以上にわたり市民・事業者・市が協働で取組んできた様々な地下水保全の取組みを報告した。
会場からは、本市の地下水の豊富さに驚く声があがる一方で、水田湛水に関する助成制度、硝酸性窒素問題、水遺産に関する質問が寄せられた。特に、本市の地下水保全施策が、市域を超えた熊本地域11市町村協働で行われていることに対して、その協力体制の構築、事業費の分担方法などに関心が示された。

 参加国のなかでもインドの水事情は特に悪く、滞在中も飲み水だけでなく、生野菜、氷などを口にしないよう細心の注意を払いながら過ごした。

 「水の保全と管理」に関する他都市の事例発表はいずれも、飲料水をいかに確保するか、汚水(下水)をいかに活用するか及び雨水の有効利用に関する報告であり、世界の各都市が安全・安心な水を確保するためにいかに苦慮しているかが分かる。

 本市の生活用水は100%地下水でまかなわれていて、何の浄化の必要もなく水道の蛇口からミネラルウォーターを口にできることは、我々にとっては当たり前のことであるが、熊本市が世界の都市の中でいかに水に恵まれた都市であり、他都市からすると特異な例であることを改めて認識した。
インド滞在最終日に通ったスラム街では、車の信号待ちのたびに多くの子供たちが駆け寄って来て、手に持ったペンやおもちゃを買ってくれとせがむ。また、幼児を抱いた母親が私の飲みかけのペットボトルの水を見て、この子が病気だからその水をくれないかと言う。

 熊本市民は、入浴、トイレ、洗車など一人一日約240リットルもの貴重な水を使っている。もし、このうちのわずかな水でもインドの子供達に飲ませてあげられるなら、どれほどの小さな命を救うことができるだろうか。

 熊本市は、「日本一の地下水都市」である。水に恵まれた都市であるが故に、水の恵み、ありがたさを忘れてはいないだろうか。

 帰国して我が家で飲んだ水のおいしさに感動しながら、熊本に住んでいて良かったとつくづく思った。
この貴重な熊本の地下水を未来の子供達に伝えることが我々の使命である。

 「日本一の地下水都市・熊本市」を世界に発信するとともに、これからも市民・事業者の皆さんと力を合わせて地下水保全に取組む決意を新たにした2日間の会議であった。

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