<神奈川県>大規模事業所に対する計画書制度の運用状況と今後のあり方
<神奈川県>
残念ながら2008年度のGHG排出量は基準年(1990年)比で増加している。これは人口や業務床面積が増え、その空調や照明の電気代が、家庭・業務部門の排出量を大幅に押し上げたことに起因する。(それぞれ39.5%、44.1%増)そこで神奈川県は検討委員会、意見募集&交換、県民集会を重ね、「神奈川県地球温暖化対策推進条例」を2010年4月に施行した。これが計画書制度である。
提出義務の対象となるのは原油換算エネルギー使用量1,500kl以上の大規模事業者、また100台以上の使用で自動車も要件に。計画書の主な記載内容はCO2排出削減目標(総量が必須だが、事業拡大の時など総量増が避けられない場合は任意で原単位も可)、目標達成のための措置、及び地域の温暖化対策に貢献する取り組み(中小企業への支援や環境教育、森林保全等)である。政令指定都市(横浜・川崎)も計画書制度を導入していることから、二重行政とならないよう意見交換を行い、制度間調整を図った(横浜・川崎は各市に計画書を提出)。また、提出義務のない中小企業が提出をした際は無料省エネ診断、設備投資に対する補助などのサービスを行う。
手続きの流れとしては、対象事業者が3-5年の間で計画期間を選択し、2010年11月末までに計画書を提出。その後、計画期間中毎年7月末までに報告書を提出、最終年度翌年の7月末には結果報告書を提出し、これらの文書の概要が公表される仕組みだ。
この間の神奈川県のサービスはきめ細かい。まず初年度計画書提出の受付にはエネルギー管理士2名を配置し、1時間から1時間半かけてヒアリングを行い、対策指針に基づき指導・助言を行う。事前に設備機器の図面や保全記録等の補足書類の持参も依頼し、コンサルティングすることもある。2年目以降は、実施状況を確認するために事業者の同意を得た上で現地調査を行い、アドバイスを行う予定。
計画書・報告書は県民にわかりやすい公表を心がけ、優れた対策事例の分析を行い、データや事例を共用する仕組みを作り、今後の温暖化対策に活用する。また、他の自治体の先行事例やノウハウを研究し、国の新たな政策動向を踏まえた対応も検討していく。
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