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神奈川県:「かながわEVへの挑戦」
2011年1月27日、時事通信社が主催する第10回iJAMP自治体実務セミナー「EVがつくる低炭素都市―求められる自治体の責務」の傍聴に行ってきました。セミナーでは、イクレイ会員である神奈川県の松沢成文知事が、「かながわのEVへの挑戦」と題して特別講演を行いました。その講演の要旨をご報告致します。

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神奈川県は「先進力」と「協働力」を軸に政策を推進している。
この軸をもとに、神奈川県発の情報公開条例を法律化させたり、受動喫煙防止条例を県レベルで推進したりしてきた神奈川だが、その最たるものがEVの推進である。

神奈川が県内の電池、車の企業や研究所、EV研究開発を行う理工系の大学、そして自治体などあらゆるステークホルダーに声をかけてEVを推進する協議会を立ち上げたのが6年前。6年前といえば、トヨタもホンダもハイブリット車が主流であり、EVは実用化段階ではなかった頃。県庁内部からの批判も多くあった。それでも県知事は自らの先見性を信じてEVを推進したところ、今ではトヨタやホンダが自ら協議会への参入を希望するように。

2014年までにEVを3,000台普及されることを目標に開始したプロジェクト「EVイニシアティブかながわ」では、まずEV普及の最大の懸念である価格面から着手。国からの補助金に上乗せする形で、県の補助金を出し、さらに免税制度を導入してEV購入にかかる初期費用を徹底的に削減。

次にランニングコストの面。ただでさえ電気はガソリンよりもエネルギーコストが圧倒的に安く5分の1程度(深夜電力なら10分の1程度)だが、それでも神奈川県は手綱を緩めることなく、ステークホルダーに協力要請して駐車場を半額、高速道路料金もETC搭載車のEVであれば半額にした。

インフラ面では急速充電器の確保が必要になる。2011年1月現在、神奈川県内の充電器は66基だが、これを2014年までに100基にする計画だ。この普及数は全国一で、2位に東京都が続く。設置場所は県庁やその出先機関のほか、車のディーラーやガソリンスタンドにも要請した。ガソリンスタンドへは、EV充電やコンビニエンスストアを併設した「サービススタンド」への生まれ変わりを提案するなど、EV普及に関わる民間部門への提案も積極的だ。

なぜ神奈川県知事はここまでEVを推進するのか。
その答えは遅々として進まない国のCO2排出量削減と、BRICSの台頭にある。

今やCO2排出の約2割が運輸部門からのものだが、そのうち8-9割が自動車からの排気ガスに起因する。よってCO2削減をするからにはここにメスを入れる必要があるというわけだ。次にBRICSだが、今や日本と中国で走る自動車の台数はほぼ同等だと言う。日本と中国の人口の大差は周知のとおり。また、中国のGDPが日本のそれを追い抜いたというニュースが記憶に新しいが、今後の経済成長に伴い、中国における車の走行台数が爆発的に伸びることは予測可能である。そうなる前に、CO2を排出するガソリン車でなく、電力源によってはゼロエミッションも実現可能なEVを今のうちに普及させておくのが責務である。

現段階ではアイデアの領域だが、ショッピングモールや病院内に排ガスを出さないEVが建物内に乗り入れ、お年寄りや救急患者の建物内移動の負担を軽くするなど、ビジョンは広がる。また、災害時にはEVが家電に電気を提供するなど、充電池としての利用の可能性もある。

知事の次なる挑戦は公共交通機関にメスを入れること、すなわち、バスのEV化だ。北京オリンピックに向けてEV普及に積極的だった中国は、3年前に神奈川県知事と日産(本拠地:神奈川)を招待し、EVの講演を依頼した。知事は同オリンピックでバスのEVに試乗したが技術面・安全面で荒削りな部分が散見していた。神奈川県内の民間部門が持つ技術力を駆使して2次開発を行い、実証実験からデータを収集し、これを完璧なものに仕上げ、EVバスで永田町に乗り込み、日本の技術力として輸出するのが神奈川県の今後の展望である。
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かながわEVへの挑戦(神奈川県ウェブサイト)
www.pref.kanagawa.jp/osirase/taikisuisitu/car/04ev.html
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