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「大都市の排出量は必ずしも高くない」(2.1)
 学術専門誌『環境と都市化(Environment and Urbanization)』が2011年1月10日に発表した報告書に基づき、米国環境ニュース『Grist』から「大都市の排出量は必ずしも高くない」という主旨の記事が出ました。その概要を紹介致します。

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 大気汚染が最も著しい都市とその原因を知るために、33カ国100都市のデータの分析をまとめた本報告書では、「ニューヨーク、ロンドン、上海などの大都市は、デンバー、ロッテルダムのような中核都市と比べて、1人当たりの温室効果ガス排出量は少ない」と発表している。


 世界の都市全体の温室効果ガス排出量は全世界排出量の約71%を占めるが、その一方で住民は自動車よりもむしろ公共交通機関を利用できることから、1人当たりの排出量が少なくなる都市もある。

 例えば、米国西部の広大な都市デンバーの1人当たりの排出量は、ニューヨークの排出量と比べてほぼ2倍であった。800万人都市のニューヨークでは、市民が地下鉄を多く利用する。報告書によれば、「ニューヨークのほうが人口密度が高く、通勤に自動車を利用する率が低いことがその主な理由である」とのこと。デンバーの排出量は21.5トン(二酸化炭素換算トン)で、上海(11.2トン)、パリ(5.2トン)、アテネ(10.4トン)と比べてもかなり高いことがわかる。

 またGDPの観点から排出量を見てみると、東京都民の排出量はカナダ人のそれより5.6倍効率的である。
東京都の省エネ努力に関する過去記事はこちら(世銀レポート)


 評価が良くなかった港湾都市ロッテルダムについては、「オランダ全体の1人当たりの排出量12.67 トンに対して、ロッテルダムの排出量は29.8 トンである。船舶への燃料補給に加え、産業を惹きつける都市部の港という影響が大きいことが見てとれる。活況を呈する空港と類似していることから、都市ベースの温室効果ガス排出量については慎重かつ総体的に考える必要がある」と同報告書は述べる。

 他にも、貧困国や中間所得国は富裕国よりも1人当たりの排出量は低いという。

 「この調査書で、持続不可能なレベルで温室効果ガスを排出しているのは、世界の最も裕福な都市とそこに住む最も裕福な住民であり、必ずしも大都市がそうであるとは言えない、ということがわかった。アフリカやアジア、中米の大半の都市は1人当たりの排出量は低い。豊かになっても、排出量を低く維持できるかが、こうした都市の課題である」と研究者は指摘する。
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※記事原文はこちら(英文)
※「Environment and Urbanization」の要旨記事はこちら(英文)


(翻訳・編集協力:佐々木知子)
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