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「インドの代表的自治体の上下水道管理状況や課題、これらに対するイクレイ南アジア事務局の活動」(報告)2010.04.21
「インドの水事情」
by べドシュルティ・サドゥカン(イクレイ南アジア事務局、持続可能性部門マネジャー)


 インドは、世界でも最古の文明を持ち、国土も広いために多様な地形や自然環境にめぐまれた世界最大の民主国家である。また、都市も人口規模がさまざまであるが、ほとんどの都市において、農村部などからの人口流入によって水不足が深刻になってきている。現在ではまだ、全国民に対して十分な水資源量があるはずなのに水不足が発生しており、その主な原因は盗水や漏水、無駄な水利用など、しっかりとした水の管理が行えていないことにある。また最近では、気候変動の影響による不安定な気候や高温によって、降雨などの予想がつきにくくなってきている。そして、全国水指針や水質に関するガイドラインなども存在するが、それらはほとんど機能していないのが現状である。

 基本的に上下水道事業は各自治体で行われているが、その他大きな都市では水管理委員会が設けられ、自分たちで管理運営ができないような小さな市町村に対しては、国が直接行っている。しかし、上下水道の管理運営がお粗末であり、漏水や盗水などによって自治体に余計にコストがかかっており、エネルギーや資金的な無駄が多い。また、十分でないにしろさまざまな情報が集められてはいるが、その管理がされておらず、またそれらの情報が正しいかどうかも確かではない。このため、多くの途上国と同じように、水道があったとしても、毎日24時間給水がある家庭はほとんどなく、給水されている時間のうちに屋根の上のタンクに水を貯めておき、それを使用している。また、貧富の差によっても供給される水の質や時間に大きな差がある。

 管理運営面での問題の1つとして、インドでは上下水道料金が無料であることが多く、処理施設の運営や管理をするための安定的な資金確保が難しい現状がある。このため、特に下水処理場などは、国によって建設されたものがあるにも関わらず、ノウハウや資金がないために自治体が運営できていないものが多く、下水として集められても、そのまま河川や海に流されることが多い。水は、生きていくために必要不可欠なものであり、基本的な権利であるのだから、タダであるべきだという認識が人々にはあるが、この認識も少しずつではあるが変化してきている。

 この問題を解決するために、水道料金を徴収するためのメーターを付けることがまず必要となってくるが、選挙で票が集まらなくなるなど政治的に反対が多く、現実的になかなか普及は進んでいない。その一方で、メーターを付けて課金することが唯一の解決策という認識は浸透してきている。ある市では、メーターを付け、ある一定量までは無料だが、それ以上使用したら課金するというシステムをとったところ、初めの1,2か月は超過して料金を払う人がいたが、その後は誰も超過する人がいなくなった。メーターを取り付けることは、節水にも有効である。

 その他自治体として、雨水利用なども進めており、特に新しい建築をする場合は、雨水涵養のための施設を義務付けている自治体もある。また、都市自治体の全利用エネルギーの50-60%が上下水道システムで消費されている。今までのように、河川の水をポンプでくみ上げてタンクに入れてとやっているとエネルギーが多くかかってしまうので、イクレイを含めエネルギー消費を削減する研究が進められており、そういった技術が自治体によって取り入れられてもいる。

 これらの水問題の解決策としては、研修や経験の共有、技術的ノウハウや、住民ベースでの取り組みを行いやすくするための分権化などに向けた能力開発が必要である。また、課金制度の導入による、資金的な安定とサービスの向上が必要である。しかし、水道や衛生部門の業務は異なるさまざまな部署で分担して行われており、それらすべての協力が必要である。
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